大腸がんと、それに続く倒産劇。「自分の体のことなんて考えたこともなくて、病気になって初めて気がつくオレみたいな経営者は日本中にたくさんいるだろうな。そうだ、これから大切なのは予防医学に違いない。それを伝えるのが、がんにかかり、事業をも失った自分の使命だ。茶色の土の上、青い空の下に自分の命を残してくれたら、一生、私は他人のために働くことになっても文句は言いません」静一郎はそう神に誓い、50歳から新しい人生が幕を開けました。
 
文字通り命を懸けながら、予防医学を必死に研究するなかで出会ったのが<せきずい活性法>という特殊な治療法でした。これは東大医学部田坂内科で実用化され、マスコミに「奇跡の療法」と話題になったものです。当時東大病院にはこの治療を求めて患者が押しかけ「門前、市をなすがごとき賑わい」と言われたほどだったにもかかわらず、医療保険上の問題から病院では治療できなくなり、幻の療法となっていました。
 
静一郎は妻・一子の死によって手にした生命保険の数千万円をすべてこの治療法の研究に注ぎ込みました。そしてついに家庭の主婦やご高齢の方々など医療の素人であっても、東大田坂内科と同レベルの効果を発揮させる治療システムを完成させました。このせきずい活性法を多くの方に伝え、健康を自己管理できるホームドクターを100万人作ろうという理念のもとに作ったのが青春大学だったのです。
 
最初の頃は一年間に一人の入学生もいませんでしたが、最初に鍼灸師の先生が入ってきました。そして驚きました。「これだけの効果を鍼灸で出そうと思ったら、鍼灸学校を卒業して、資格をとってから、さらに研究研鑚を15年は重ねる必要がある。それが素人に出せるようになるのだから、我々鍼灸師はお飯の食い上げだ」東大での研究を元にした、医学的に裏付けのしっかりした療法と、その確かな効果は、次第に口コミで広がり、少しずつ入学生が増えていきました。
 
静一郎がこの研究を始めてから28年、今では青春大学の卒業生は2万人に届こうとしています。青春大学は「いつまでも健康で若々しくありたい」と考える人なら、誰でも入学し勉強できる社会人学校です。上は90歳過ぎのお年寄りから、下は11歳、まだ小学生と言う方でも学んでいます。


青春大学設立記念式典にて

ここで不思議なことが一つ。「大腸がんはどうなったのか」
 
せきずい活性法を研究していく段階で、自分自身の身体を実験台にして、誰よりもこの療法をやってきたのが静一郎でした。そしてふと気付いてみたら、がんのことをすっかり忘れていました。60歳を過ぎて初めて病院に行って調べてもらったところ「何かやった後はあるけど、今はなんともなっていないね」と健康のお墨付きをもらいました。この仕事をやってきて、一番救われたのが自分自身だったのです。
 
そしてがんを克服しただけではありません。せきずい活性法はとんでもない副産物を生んだのです。
 
以下続く


 最終更新日 07/01/29
All Rights Reserved, Copyright (c) 2003 Seiichiro Tamamura.